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GC学部の入門ゼミで総合商社「丸紅」の元執行役員・大阪支社長を務めた橋本雅至さんが特別講義しました。

2026.07.29

 グローバル・コミュニケーション学部の入門ゼミナールの授業で7月22日、大手総合商社「丸紅」の元執行役員・大阪支社長を務め、中国語コースの「ビジネス中国語」担当講師を務める橋本雅至さんが特別講義しました。

 学生時代に中国語を学んだ橋本さんは上海に2度、香港に1度、計17年の駐在経験があり、仕事で訪れた国は約40カ国。「商社での経験はグローバル・コミュニケーションそのものだった」と語りました。そもそも小学6年生だった1970年に開催された大阪万博が外国を意識する機会となり、11回も来場して何と全パビリオンを制覇したというから子どもの頃から橋本さんの目は海外に向いていました。

特別講義する橋本雅至さん

■商社のビジネスモデルは激変

 商社のビジネスモデルがどう進化してきたかの説明では、電力事業を例に挙げました。丸紅も、橋本さんが入社した1981年当時は東芝などメーカーの代理店として海外に発電設備の輸出を実施していたといいます。ところがメーカーが直接自社製品の輸出を始めたことで代理店は不要に。今では、電力の不足している開発途上国に対し、建設会社や機材を扱うメーカー、電力会社を組織して発電所建設を受注するまでになりました。建設するだけではなく、発電所を経営し、電力販売を行うまでになっているとも述べました。

 商社はモノを生産して販売するまでの過程で価値を付加して利益を得る「バリューチェーン」の中でビジネスモデルを創出するとの説明もありました。繊維製品を例に挙げれば、縫製工場を自ら建設して、製品を大手小売業者に販売するという、かつての商社のイメージを破るビジネスにまで拡大していることが分かりました。

橋本さんを紹介する大濱慶子学部長

■日本のドラマが中国人の服装に影響

 橋本さんが仕事の主なフィールドとした中国社会は、37年間の丸紅在勤中に大きく変化しました。入社時の1981年当時の中国人の服装は人民服に人民帽。それが日本のテレビ番組などが入ってきてファッションに大きな影響を与えたといいます。1984年に中国で放映され大ヒットした山口百恵さん、三浦友和さん主演の「赤い疑惑」(日本では1970年代半ばに放映)。山口さん演じる幸子のかぶる毛糸の帽子、三浦さん演じる光夫の着るセーターがセンセーションを巻き起こしたという話に受講生も興味津々。しかし、当時の中国で手に入る繊維素材では作れなかったため、日本の繊維メーカーに中国まで出張して技術指導してもらったという裏話も披露してくれました。

橋本さんの講義を聴く受講生

■異文化を攻略せよ

 天安門事件の混乱の中で得た教訓は、マスコミの報道を鵜吞みにせず、自ら情報を収集し、決断を下すことの大切さだったと言います。中国・海南島では麻薬の運び屋と間違われて拘留されるなど、危機一髪とも言える経験を何度も繰り返しながら、切り抜けて来られたのは橋本さんの機転や幸運からだった模様です。最後に「異文化を攻略せよ」として、中国企業がよく用いる「过両天」(そのうちいつか)、「80%が欠陥のない合格品であれば良い」といった考え方、イスラム教諸国の「In sha Allar」(神のおぼしめしのままに)という言葉を例に挙げ、価値観の違いを示しました。日本とは異なる考えや商習慣をもつさまざまな国の文化をいかに理解し、彼らと深くつきあい、商談を合意させるか、その対処法を披露し、グローバル・コミュニケーションという武器をしっかり身につけていただきたい、と語りました。

神戸で言語とコミュニケーションを学ぶ:神戸学院大学 グローバル・コミュニケーション学部